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おばさんの井戸端ジェンダー         料理の共同参画

イラストby白六郎 わが家の料理長は夫です。
男女共同参画をめざしたわけではなく、結果的にそうなったという状態です。わたしが煮炊きをすると、ガスを全開するのでわが家の鍋は全部まっ黒、鍋の柄とか取っ手も焼け焦げて哀れな姿になっています。(あぶないなあ) 調味料も、つい大量に使いすぎる上に、味見をしないという作り方なので、おいしくなるわけないですね。トホホ

夫も料理が得意とか好きとかではないようです。仕方がないからやっているという感じ。でも、わたしより数段マシなので、いたく感謝しています。好き嫌いの多いわたし(偏食児童と呼ばれています)のために、夫は献立を制限され日々苦労しています。

彼には魚を見る目があり、わたしが覚えきれないほどの魚をさばいたり調理したりしています。また、仕事の段取りがよく無駄な動きがないのです。だから、わたしは長い間、彼に料理は「お任せ」状態でした。自分から料理する夫を内心自慢に思いながら。

しかし、このお盆に北陸にある実家に帰省したとき、(ちょっと考え直した方がいいのでは?)と考え始めました。きっかけは『鯨汁』です。

こちらの鯨汁は、ヨーゴ(夕顔)のナカゴ(種がつまっているふわふわした部分)と塩鯨と茄子があれば十分。味付けは味噌とダシです。それで、濃厚芳醇な味わいとなります。ぶた汁ほどしつこくはなく、暑い夏には熱い鯨汁が格別なんですよ。実家の近所の八百屋さんで見つけた4切れ890円の塩鯨と赤ん坊の胴体ほどのぶっといヨーゴ。わたしは嬉々として買い求め、それらを夫に託しました。

ところが、夕餉に出てきた鯨汁は味が薄くて妙に甘い。おそるおそる夫に聞いてみると「味噌を入れすぎたので、中和するために砂糖を入れた」とのこと。ガ〜ン… それに、作られた鯨汁は大鍋いっぱい。これじゃあ、たった4切れの塩鯨を見つけるのが大変です。そういえば、流し台に大きなボールにぶっ切りのヨーゴと茄子とキューリが山盛りになっていたっけ。(なんか、牛のエサみたいだな)と思ったのに、それを小さく切り直さなかったわたしも悪い。鯨汁といっても、わたしにしては味噌汁なのですが、味噌汁に砂糖を入れてしまう夫の感性に呆然でした。(夫はトン汁には味りんを入れるぞと言ってます)

次はキンピラゴボウです。実家には90才の母がいるので、わたしはふだん自分の家ではやらないくらいゴボウを薄くていねいに切りました。味付けは夫の役割です。彼は歯の弱いわたしや母を配慮し、油で炒める前に10分ほど茹でてくれました。それで、でき上がったキンピラがおそろしいほどまずかったのです。

夫が先に千葉に帰り、どんぶり一杯残ったキンピラを見ながら、母に聞きました。「ゴボウを炒める前に茹でている?」と。母はびっくりして言いました。「そんなことしたら、栄養も旨味も出てしまって、カスを食べるようなものだ」

そういえば、わたしが自分の家で同じ事をしていました。つまり、わたしがゴボウと人参を切り、茹でて置く。それを彼が味付けをするという役回りです。そして、わたしは(わが家のキンピラはどうしてこんなにまずいのだろう)と思い、近頃はゴボウを切らないようになっていました。たまたま実家で「押し寿司」に使った残りのゴボウがあったので、切った結果でした。

やはり、なにはともあれ女・男に関係なくおいしい料理を作れた方がいいですね。『貯筋』と同じように、こつこつ料理の腕を上げていこうと、重い腰をあげたおばさんの「お盆の帰省」でした。
 (つ)

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