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おばさんの井戸端ジェンダー       きくちゆみさん

イラストby白六郎 本当にすごい人っているものなんですね。それも身近に。
わたしはきくちゆみさんを、才色兼備の独身都会人と想像していました。きくちさんは「戦争中毒」(合同出版)の訳者だし、インターネットを駆使しメディアの伝えない情報を鋭く紹介していたからですが。(認シキ不足だよ)

ところが、講演会「戦争と平和」(10/15我孫子市主催)に長い髪で颯爽とあらわれたきくちさんは開口一番「きのう稲刈りを終わらせてほっとしています」と言いました。今ごろの稲刈りならきっと自然農法でしょう。それに、きくちさんは千葉県鴨川市の山の中に住んでいて、もう7年も米と野菜は自給自足していると言うではありませんか。

わたしは、ああそれならうちの親と同じだわと思い、急に親近感を覚えました。しかも、「子育ても山の中」でしているとのこと。なんだなんだ、わたしの「理想の女性像」です。子どもは自然のたくさんの命の中で育った方がずうっと優しくたくましくなります。断定しちゃいますよ。

講演ではインターネットで得た内部情報を映しながら歯切れよく解説しました。アフガニスタンの映像なのですが、アメリカ政府は軍事施設のみをねらうと言っているのに、兵士たちが、夜モスクへ向かう数人の一般市民を上空から何度も狙撃していました。「やったあ、あいつらバラバラになったぜ」などという会話も入っています。ゲーム感覚で無辜の命を奪っているのです。あと、きくちさんが「辛い人は見ないでください」と言わなければならないほどむごく壊された子どもや大人の姿も映し出されました。

9.11以来、きくちさんは土日はずっと講演などで国内や世界中を飛びまわっているそうです。ニューヨークの反戦集会の映像ではお子さんを抱きながら元気よく拳を突き上げている姿も見られました。

講演会後半の質問タイムで、「地球環境を良くするために、まず立ちあがったら、2番目に大切なことは何ですか」に対し、きくちさんは間髪入れず「お金の流れを変えることです」と言いました。貧困は人災であるとも明言。日本は莫大なアメリカ国債を購入しているので、アメリカは日本に借金をしながら戦争をしているようなもの。投資するなら、自然エネルギーファンド関係にし、お金を戦争に流さないようにと言われ、深く合点しました。数年前、ほんのちょびっとですが、わたしは世界文化遺産「白神山地」のグリーンエネルギー「市民風車基金」に出資しているので嬉しくなりました。

講演が終わって著書販売とサイン会です。
きくちさんは、さっきの壇上でのスーツ姿と打って変わり、この涼しい季節にノースリーブで息子さんを抱き、笑顔いっぱいであらわれました。子どもを抱いた女性の姿はなんと優しくパワフルなのでしょう。見ているだけでまわり中が笑顔になれるものなのですね。

わたしは「ハーモニクス・ライフ自然派生活のすすめ」(森田玄・きくちゆみ著 合同出版)を買い、きくちさんに「いのちのつながり」とサインしてもらいました。

読んでびっくり、きくちさんは4児の母とのこと。しかし、2児と別れなければならなくなり、そのショックで3人目を早産し心身ともにガタガタになったそうです。しかし、この本を書き進めるうちに、「母親として一番したいことは、子どもたちに安心して住める地球を手渡すことだ」ということを思いだし、「前夫が良き父親だからこそ子どもたちを任せることができ、私は今後さらに地球と人の癒しに深く関わる準備が整ったのです。すべてのことに偶然はなく、どんなことにもそれぞれの魂の成長のために起っていることを、私は受け入れようとしています」とありました。

きくちさんは『鴨川歳時記』(「ハーモニクス〜」の中にあります)を綴りながら元気を取り戻していったそうです。『鴨川歳時記』は、春の章・梅雨の章・夏の章・秋の章・冬の章とあり、豊穣な自然とつながり、その恵みを享受する喜びを薫り高くおいしく伝えています。農村育ちのわたしは、(そうよ、ほんとにその通りよ)といたく共感しながら、女性だからこそ書ける細やかで情緒深いきくちさんの文章に魅せられました。

女っていいものですね。母親は無限のパワーと可能性を持っているのですね。 (つ)

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